鬼才の画人 谷中安規展 1930年代の夢と現実

展覧会概要

開催趣旨

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《自画像》(『白と黒』30 号) 1932 年 木版、手彩色 町田市立国際版画美術館蔵

谷中安規(たになか やすのり、1897-1946)は1930年代に活躍した版画家です。この時代の東京は、関東大震災から復興を遂げモダンで華やかな顔を見せる一方で、戦時体制へと傾斜し、不安と閉塞感が強まっていました。谷中はそのような新東京を風船のように放浪し、大都市の様相に幼少期の記憶や生活の理想などを重ね合わせて、夢と現実が織りなす木版画を制作しました。ビル群や劇場、飛行船や潜水艦、外国映画のシーンやロボットなど、1930年代特有のモダンなイメージと、奈良の長谷寺で暮らした幼少期や真言宗豊山派(ぶざんは)の中学に通っていた時代に養われた仏教観、さらに少年時代に暮らした朝鮮の記憶といった土着的なイメージを混ぜ合わせた表現は、実に多元的で独創的な内容を見せています。
10年ぶりの回顧展となる本展覧会は、万華鏡のように幻惑的な谷中安規の作品、約300点を制作年順に整理・展示し、刻々と変わる政治・社会的動向とイメージの変化や表現との関係について再考するものです。それは1930年代という時代を考える試みでもあります。 
谷中安規の作品は、現代社会をも逆照射してくれることでしょう。

開催概要

展覧会名鬼才の画人 谷中安規展 ―1930年代の夢と現実
会期2014年10月4日(土) ~ 11月24日(月・振替休日)
会場町田市立国際版画美術館
〒194-0013 東京都町田市原町田4-28-1 TEL:042-726-2771
観覧時間〔平日〕10:00~17:00(入場は16:30まで)/〔土・日・祝日〕10:00~17:30(入場は17:00まで)
休館日月曜日
ただし10月13日(月・祝)、11月3日(月・祝)、11月24日(月・振替休日・展覧会最終日)は開館、
10月14日(火)、11月4日(火)は休館
主催町田市立国際版画美術館
東京新聞
巡回岩手県立美術館 2015年4月11日(土)~5月17日(日)〔予定〕
休館日一般800(600)円/大学・高校生・65歳以上400(300)円/中学生以下は無料
*( )内は20名以上の団体料金 
*10月4日(展覧会初日)、11月3日(文化の日)は無料
*身体障がい者手帳または愛の手帳等をお持ちの方と付き添いの方1名は半額
展示構成制作年順に編年体で構成
Ⅰ 1920年代/Ⅱ 1928~31年/Ⅲ 1932年/Ⅳ・1933年/Ⅴ 1934年/Ⅵ 1935~39年/Ⅶ 1940~46年
出品予定作点数木版画、水彩画、パステル画など約300点

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